|  善意っぽいけど世の中、本当に分からなくなりました。
 正しい人が馬鹿を見るという状況は長い人類の歴史の中で延々と続いてきましたが、今も正直者が追い詰められるような出来事が世に溢れています。真面目に生きているのが馬鹿らしく思えてくるくらい...
 一体、私たちは何を信じて生きていったらいいのでしょうか? 心苦しいばかりです。
 ワーキングプアなる言葉が多くの人に認識されるようにもなりました。欲のために多くの人々の夢や希望を平気で踏み躙る人がいます。その涙の対価を貪ってやりたい放題している人がいます。
 
 人を信じることがいけないことなのでしょうか? それを子供に教えることはいけないことなのでしょうか? 子供に人を疑うことを教えなくてはならないという社会普通なのでしょうか?
 
 正しいことを選択するのが愚かなことなのでしょうか? いつからこんな世の中になったのだろう... 走れメロスという小説が虚しく見えてきます。
 しかし、悲しんでいるだけでは虚構にまみれた迷宮を抜け出すことは出来ない... そんな思いを胸にしまい、正しい人たちがたくましく、この世の中を生き抜くために何か出来たなら... そんな願いを込め、この善意と悪意の解剖図を捧げます。
 
 でも、善意は静かに生きています。確実に。 善意がこの世の中に満ち溢れますように。
    戻る      次へ  本書の使い方 ※ 本内容は出版を意図して執筆したものをそのまま公開しております。 |